9月なのに眠りが浅い?オフィスの冷房、朝晩の寒暖差。その矛盾の正体
9月なのに眠りが浅い?オフィスの冷房、朝晩の寒暖差。その矛盾の正体
昼は冷房、朝晩はひんやり。
残暑から秋口の寒暖差と、睡眠の質を整える方法
【この記事の要約】
- ・9月は、日中の暑さ、オフィスの冷房、朝晩の涼しさが重なり、身体が異なる温度環境を行き来しやすい季節です。
- ・「昼は手足が冷えるのに、夜は暑くて眠れない」という感覚には、冷房の風、寝室に残った熱や湿気、明け方の気温低下、更年期のほてりなど、複数の要因が関係している可能性があります。
- ・睡眠の質を整えるためには、日中の冷え対策、就寝1〜2時間前の入浴、冷房の風向き、掛け物やパジャマの調整が大切です。
- ・衣替えは一気に済ませず、天然素材の薄手の寝具や寝間着を残しながら、少しずつ秋仕様へ移行しましょう。
「会社では上着が手放せないのに、家に帰ると布団から足を出したくなる。自分でも、暑いのか寒いのかよくわからないんです」
当店のお客様から、そんな声をいただきました。
9月になっても、日中はまだ汗ばむような暑さ。通勤中は暑いのに、電車やオフィスへ入ると冷房が効いていて、手足はひんやり。夕方に外へ出れば再び蒸し暑く、帰宅してからも身体に熱が残っているように感じます。
夜は冷房をつけると寒い。けれど、消すと暑くて眠れない。ようやく眠れたと思ったら、明け方には気温が下がり、今度は肌寒さで目が覚めてしまう。
暑いのか、寒いのか。身体も寝室も、ちょうどよいところが見つからない。
そんな季節の変わり目に、「最近、眠りが浅い気がする」「夜中に何度も目が覚める」「寝たはずなのに、朝からすっきりしない」と感じていませんか。
この時期の眠りにくさには、冷房、残暑、湿度、朝晩の気温差など、いくつかの要因が重なっている可能性があります。今回は、なぜ9月は眠りが落ち着きにくいのか、睡眠の質を高めるために今夜からできる整え方をご紹介します。
1.9月は、暑さと涼しさが同居する季節
暦の上では秋でも、近年の9月は、まだ夏のような暑さが続くことが珍しくありません。気象庁によると、日本の9月平均気温は、2023年が1位、2024年が2位、2025年が3位と、3年連続で統計開始以降のトップ3を占めました。
日中は冷房が必要なほど暑い。その一方で、日が沈んだあとの風や明け方の空気には、少しずつ涼しさを感じるようになります。屋外は蒸し暑いのに、オフィスや電車では身体が冷える。寝るときは暑いのに、明け方は肌寒い。9月は、一日のなかで異なる温度環境を何度も行き来しやすい季節なのです。
外気温の変化に応じた体温や血流の調節には、自律神経が関わっています。急な温度差が続くと、人によっては身体のだるさや疲れ、寝苦しさなどを感じることがあります。
ただし、「自律神経の乱れ」だけですべてを説明できるわけではありません。夏の疲れ、睡眠不足、冷房の風、湿度、寝具の蒸れ、生活リズムなども含めて、環境をひとつずつ見直すことが大切です。
2.昼は冷えるのに、夜は暑い。その感覚は矛盾ではありません
「オフィスでは手足が冷たかったのに、夜になると身体がほてる」
一見、正反対の状態に思えるかもしれません。けれど、昼間と夜では、過ごしている環境が違います。
オフィスでは、冷房の風が肩や腕へ直接当たったり、冷たい空気がたまりやすい足元が冷えたりします。長時間座ったままでいることも、手足の冷たさや身体のこわばりを感じる一因になります。
帰宅後は、屋外の暑さや家事で再び身体が温まります。寝室に昼間の熱が残っていたり、湿度が高く汗が乾きにくかったりすると、夜になっても熱がこもったように感じることがあります。
さらに40代以降の女性では、更年期に伴うほてりや発汗、手足の冷え、眠りの浅さなどが同時に現れることもあります。厚生労働省研究班監修の情報サイトでも、更年期にはエストロゲンの分泌が低下することで自律神経の働きが乱れやすくなり、ほてりや発汗(ホットフラッシュ)、冷えなど多彩な症状が現れることがあると説明されています。
この「昼は冷えるのに、夜は暑い」という矛盾の正体は、ひとつの不調ではなく、時間帯によって異なる温度環境が重なっていることにあります。
つまり、「手足は冷たいのに、身体は暑い」「汗をかいているのに、冷房の風は寒い」という感覚は、必ずしもおかしなことではありません。
日中の冷えが、そのまま夜のほてりを引き起こしていると断定はできませんが、異なる時間帯に冷えと暑さが現れ、そのたびに身体や寝具の調整が必要になることが、眠りを妨げる一因になります。
3.温度環境は、睡眠の質にも影響します
人の身体は、眠りに入る前に手足などから熱を逃がし、身体の内部にある深部体温を下げていきます。
ところが、寝室が暑く湿っていると、身体の熱を外へ逃がしにくくなります。反対に、冷房の風が身体へ直接当たったり、明け方に室温が下がりすぎたりすると、寒さや不快感で目が覚めることがあります。
厚生労働省のe-ヘルスネットでも、寝床内環境をつくる寝具は、吸湿性・放湿性と保温性が良いことが大切だとされており、寝室の温度や湿度、音、光などの睡眠環境を整えることが、寝つきの悪さや夜間の目覚めの改善につながるとされています。
残暑から秋口にかけては、次のようなことが重なりやすくなります。
- ・寝るときは暑く、なかなか寝つけない
- ・冷房を強くすると、肩や手足が冷える
- ・汗をかいたあと、肌やパジャマが冷たく感じる
- ・冷房を切ると、再び暑くなって目が覚める
- ・明け方に気温が下がり、肌寒さを感じる
- ・掛け物を何度も掛け直し、眠りが途切れる
一つひとつは小さな不快感でも、一晩のなかで何度も繰り返されれば、朝の「よく眠れた」という感覚に影響します。
冷房を使うこと自体が悪いのではありません。大切なのは、冷やしすぎないこと。そして、暑さや湿気を我慢しすぎないこと。その日の気温や自分の体感に合わせ、睡眠の質を整える環境をつくることです。
4.今夜からできる4つの整え方
1.日中は、冷えを感じる部分を守る
オフィスでは、自分で室温を変えられないことも多いものです。
薄手のカーディガンを羽織る、首元にストールを掛ける、手首や足首を薄手のもので覆う、冷気が直接当たる場所を避ける、ときどき立ち上がって身体を動かす。こうした小さな対策を取り入れてみましょう。
首、手首、足首の「三首」を必ず温めなければならないわけではありません。自分が冷えを感じやすい部分を、着脱しやすいもので守ることがポイントです。
2.就寝1〜2時間前に入浴する
眠る前に身体を適度に温めることは、快眠につながる習慣のひとつです。
厚生労働省のe-ヘルスネットでは、40℃程度の湯船に10〜15分ほどつかり、就寝の1〜2時間前に入浴する方法が紹介されています。入浴によって上がった深部体温が、その後下がっていく流れが寝つきや深い睡眠につながります。
熱すぎるお湯や、汗だくになるまでの長風呂は必要ありません。
3.寝室は、温度だけでなく風と湿気も見る
冷房を使うときは、設定温度の数字だけでなく、風がどこへ当たっているかも確認します。
顔、肩、腕、脚などに冷風が直接当たる場合は、風向きを上向きにする、風量を弱める、ベッドの位置を調整する、サーキュレーターで空気を循環させるといった工夫をします。
湿度についても、数字だけにこだわる必要はありません。寝具が湿っぽく感じないか、汗が肌に残っていないか、喉や肌が乾燥しすぎていないか。温湿度計と自分の感覚の両方を見ながら、「冷えすぎず、こもりすぎない」状態を探しましょう。
4.掛け物と衣替えは、一度に決めない
寝るときは暑くても、明け方には肌寒くなることがあります。
厚い布団一枚へ急に替えるより、薄手の肌掛けやタオルケットを重ね、暑ければ外し、寒ければ掛けられるようにしておくほうが調整しやすくなります。
9月になったからといって、夏用の寝具やパジャマをすぐに片づける必要はありません。通気性のよい薄手のものを残しながら、軽い掛け物や羽織れるものを少しずつ足していきましょう。
5.パジャマも「季節の変わり目仕様」に
冷え対策というと、厚着を思い浮かべるかもしれません。しかし、残暑が続く夜に厚い秋冬用のパジャマを着ると、熱や湿気がこもり、かえって寝苦しくなることがあります。
反対に、半袖や短パンで肌を大きく出していると、冷房の風や明け方の気温低下によって、肩や手足に寒さを感じることがあります。
季節の変わり目に選びたいのは、肌を適度に覆いながら、汗を吸いやすく、湿気を外へ逃がしやすい、肌に張りつきにくい、身体を締めつけず寝返りを妨げにくいパジャマです。
綿100%や綿麻などの天然素材・天然繊維は、素材や生地のつくりによって違いはありますが、吸湿性や肌ざわりを重視してパジャマを選びたい人にとって、取り入れやすい選択肢です。
ただし、天然素材のパジャマを着ただけで、必ず睡眠の質が上がる、よく眠れるというものではありません。パジャマは睡眠を決める主役ではありませんが、汗によるベタつき、蒸れ、締めつけ、冷房の風など、眠りを妨げる小さな不快感を減らすことはできます。
「秋だから温かくする」のでも、「まだ暑いから肌を出す」のでもない。冷えすぎず、こもりすぎないこと。それが、残暑から秋口にかけて、睡眠の質を高めたい人が意識したいパジャマ選びのポイントです。
まとめ:冷えすぎず、こもらせすぎない
9月は、日中には残暑と冷房があり、朝晩には少しずつ秋の涼しさが戻ってくる季節です。暑さだけを避ければよいわけでも、冷えないように厚着をすればよいわけでもありません。
- ・日中は、冷房の風を直接受け続けない
- ・就寝1〜2時間前に、心地よい温度のお風呂に入る
- ・寝室は、温度だけでなく風向きと湿気も確認する
- ・掛け物は重ねて、夜中にも調整できるようにする
- ・衣替えは一度に済ませず、薄手のものを残しておく
- ・パジャマは厚さだけでなく、吸湿性や通気性、肌離れで選ぶ
大切なのは、冷え対策を我慢比べにしないことです。寒さを我慢して働き、暑さを我慢して眠るのではなく、その時間、その場所、その日の身体に合わせて整える。
寝室の温度。冷房の風向き。掛け物の重ね方。そして、毎晩肌に触れるパジャマ。ひとつひとつの小さな心地よさを重ねることが、睡眠の質を整え、よく眠れる環境をつくる土台になります。
季節に身体を無理に合わせるのではなく、その日の自分にちょうどよい眠りを選んでみませんか。
睡眠てらすでは、眠りを妨げる不快感を少しでも減らし、快眠につながる環境づくりの一助として、天然素材のパジャマをご紹介しています。劇的な変化を約束するものではなくても、毎晩の心地よさを積み重ねることは、睡眠の質を整えるうえで大切な土台になります。
よくある質問(冷房・寒暖差・秋の睡眠)
Q. 9月になったら、夜の冷房は切ったほうがよいですか?
無理に切る必要はありません。暦ではなく、その日の室温、湿度、体感で判断しましょう。暑さや湿気が残っている日は、冷房や除湿を活用し、風が身体へ直接当たらないように調整してください。
Q. 寝るときは、半袖と長袖のどちらがよいですか?
一律にどちらがよいとはいえません。冷房の風や明け方の冷えが気になる場合は、吸湿性や通気性のある薄手の長袖が使いやすいでしょう。暑さを感じる場合は、袖口や身幅にゆとりがあり、熱や湿気がこもりにくいものを選びます。
Q. 天然素材のパジャマへ替えると、睡眠の質が上がる・よく眠れるようになりますか?
パジャマを替えただけで、必ず睡眠の質が上がるとはいえません。ただし、綿100%や綿麻などの天然繊維には、汗を吸いやすいものや、肌ざわりのよいものがあります。蒸れ、張りつき、締めつけなどの不快感を減らすことは、睡眠の質を整える環境づくりのひとつになります。
Q. 夜中のほてりや寝汗が続く場合はどうすればよいですか?
寝室の暑さや湿気が原因になることもありますが、更年期、飲酒、体調、服薬など、ほかの要因が重なっている可能性もあります。強いほてりや寝汗が続く、動悸や息苦しさがある、日中の生活に支障が出ている場合は、生活環境の工夫だけで抱え込まず、医療機関へ相談してください。
スリーププランナー:ローホ (認定登録番号:653030)
資格を活かして、皆さんと一緒に睡眠環境を整えることを目指すパートナー。
現在、更年期真っ只中。気持ちと身体の揺らぎを日々感じています。
だからこそ、睡眠の大切さや面白さをより深くお伝えしていきたい。
そんな想いで、睡眠を楽しんでもらえる商品をチームで開発し、少しでも皆さんに寄り添っていきたいと考えています。
※本コラムは、公的機関などの情報およびスリーププランナーの知識をもとに、日常の睡眠環境を整えるための一般的な情報をご紹介するものです。医療行為や診断を目的としたものではありません。気になる症状が続く場合は、医師などの専門家へご相談ください。
~日本を睡眠大国へ~
自然を選び、自分をてらす。
睡眠を選び、地球をてらす。
身体も心も軽やかに、一瞬一瞬をキラキラと輝く、明日をもっと楽しもうと思える。
眠ることは、自分らしく生きること。
睡眠が変わると、明日が変わる。
明日をてらす 睡眠てらす

