睡眠コラム

夏の冷えを、冬まで持ち越さない。眠りから始める秋支度

夏の冷えを、冬まで持ち越さない。眠りから始める秋支度

夏の冷えを、冬まで持ち越さない。眠りから始める秋支度

「クーラーで涼しくしているのに、なぜか疲れが取れない」
その冷えは、夏の過ごし方に隠れているかもしれません。

【この記事の要約】

  • ・夏に受けた冷えが身体の中にそのまま残り、冬の冷えを引き起こすという直接的な因果関係は、医学的には明らかになっていません。
  • ・けれども、冷房による冷え、運動不足、寝苦しさによる睡眠の乱れを見直さないまま秋を迎えると、冷えや眠りにくさが気になることがあります。
  • ・心地よく眠るためには、手足の血流を増やして熱を外へ逃がし、深部体温を下げる必要があります。冷やしすぎると、この熱の逃げ道がふさがれてしまいます。
  • ・暑さを我慢して眠ることは、寝つきを悪くするだけでなく、夜間の熱中症につながる危険もあります。
  • ・室温だけでなく、パジャマや寝具によってつくられる「寝床内環境」まで含めて整えることが、夏の眠りには大切です。
夏の冷房による冷え 足先の冷え 夏の睡眠不調 睡眠てらす 呼吸するパジャマ

強い日差しの屋外から、冷房の効いた室内へ。

日中も夜も、私たちは冷房の中で長い時間を過ごします。

暑さから身体を守るために必要なことですが、ふと気づくと、足先が冷たい。お腹まわりがひんやりする。朝方、寒くて目が覚める。

そんな「夏の冷え」を感じている人もいるのではないでしょうか。

そして暑さが少し落ち着いた頃、今度は秋の寒暖差が始まります。

夏の冷えは、そのまま冬の冷えにつながるのでしょうか。

1.「夏の冷え」が、身体の中に蓄積するわけではありません

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「夏に身体を冷やすと、冷えが蓄積して冬に冷え症になる」といわれることがあります。

けれども、夏に受けた冷えが身体の中にそのまま残り、冬の冷えを引き起こすという直接的な因果関係は、医学的には明らかになっていません。

一方で、温度や湿度などの環境が、体温調節や睡眠に影響することは、これまでの研究でも報告されています。

だから考えたいのは、「夏の冷えが蓄積するかどうか」ではありません。夏から秋へと環境が変化するなかで、冷えや眠りにくさといった身体のサインに、目を向けることです。

冷房の効いた部屋で長時間過ごし、手足の冷えを感じる。
暑さで外出や運動の機会が減る。
寝苦しさで眠りが浅くなり、疲れが抜けない。
暑い時期が過ぎても、夏と同じパジャマや寝具を使い続ける。

こうした状態が続いているところへ秋の寒暖差が重なると、身体の冷えやだるさ、眠りにくさが気になることがあります。

冷え症の人では、皮膚の血管が収縮し、手足の血流が少なくなることが報告されています。その背景には、自律神経の働きや、熱を生み出す筋肉量などが関係している可能性があります。

冬まで残るのは「夏の冷気」ではありません。

見直したいのは、冷えやすい過ごし方や乱れた眠りを、次の季節まで続けてしまうことです。

2.眠るためには、身体の熱を外へ逃がす必要があります

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睡眠と体温には、深い関係があります。

私たちの身体は、眠る時間が近づくと、手足の皮膚の血流を増やして、身体の内側の熱を外へ逃がします。そうして深部体温が下がっていくことで、自然な眠気が訪れます。こうした体温と睡眠の関係は、温熱環境が睡眠に及ぼす影響を扱った研究でも報告されています。

つまり、心地よく眠るために必要なのは、身体を冷たくすることではありません。

身体の内側にこもった熱を、無理なく外へ逃がせる状態をつくることです。

ところが、冷房の風が直接当たり、手足や身体の表面が寒いと感じるほど冷えると、身体は熱を逃がさないように皮膚の血管を収縮させます。

「部屋は涼しいのに寝つけない」
「足先だけが冷たくて気になる」
「明け方に寒くなって目が覚める」

こうした状態には、寝室の温度だけでなく、身体に当たる風やパジャマ、寝具の組み合わせが関係している可能性があります。

3.暑さを我慢することは、冷え対策ではありません

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冷えが気になるからといって、真夏にエアコンを使わず眠るのはおすすめできません。

高温多湿の環境では、汗が蒸発しにくく、身体の熱を外へ逃がしにくくなります。深部体温が十分に下がらず、寝つきが悪くなったり、夜中に目が覚めたりする原因になります。

また、睡眠中は、起きているときよりも体温調節の働きが弱くなります。暑さを我慢して眠ることは、睡眠を妨げるだけでなく、夜間の熱中症につながる危険もあります。

大切なのは、エアコンを使わないことではありません。

部屋全体は涼しく保ちながら、身体を冷やしすぎないことです。

4.「室温」と「寝床内環境」を分けて考える

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夏の寝室では、エアコンの設定温度だけを見てしまいがちです。

けれども、同じ室温でも、

  • ・冷風が身体へ直接当たっている
  • ・パジャマの中に汗や湿気がこもっている
  • ・背中と寝具の間に熱や湿気がこもっている
  • ・明け方の室温に、パジャマや寝具が合っていない

といった違いによって、身体の感じ方は変わります。

特に気をつけたいのが、「背中は蒸れているのに、腕や脚は冷たい」という状態です。

暑く感じてさらに設定温度を下げると、露出している部分はますます冷えます。一方で、パジャマや寝具の中の湿気が逃げなければ、背中の蒸し暑さは残ります。

必要なのは、強く冷やすことではなく、熱と湿気の通り道をつくること。

眠っている身体のまわりには、パジャマと寝具によってつくられる小さな環境があります。

室温だけでなく、この「寝床内環境」に熱や湿気がこもっていないか、冷えすぎていないかまで考えることが、夏の眠りには大切です。

5.夏の冷えを持ち越さない、5つの習慣

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1.冷房の風を、身体の一部だけに当て続けない

風が長時間同じ場所に当たり続け、寒さを感じる場合は、風向きや風量を調整しましょう。風向きを天井や壁に向け、扇風機やサーキュレーターで部屋の空気を循環させます。

風そのものが、眠りの妨げになるわけではありません。適度な気流は、身体にこもった熱を逃がし、寝苦しさをやわらげることがあります。

避けたいのは、寒さを感じるほどの冷風が、身体の一部に当たり続けることです。

2.室温を下げすぎる前に、湿度を確認する

湿度が高いと汗が蒸発しにくくなり、同じ室温でも蒸し暑く感じます。

除湿を組み合わせることで、必要以上に室温を下げずに済むことがあります。温度だけでなく、湿度も一緒に確認しましょう。

3.夏も湯船につかる

就寝の1~2時間前に入浴すると、入浴後の熱放散が促され、深部体温が下がりやすくなります。

熱すぎるお湯は身体を興奮させ、かえって眠りを妨げることがあります。心地よいと感じる温度で、無理なく入りましょう。

4.冷えを感じるときは、肌を覆いながら熱と湿気を逃がす

冷房の風で腕や脚が冷える場合は、通気性や吸放湿性のある薄手の長袖・長ズボンで、肌をゆるく覆う方法もあります。

長袖を着る目的は、身体を厚く包んで温めることではありません。冷風が肌へ直接当たるのを和らげながら、汗や湿気を外へ逃がすことです。

5.季節の変化に合わせて、少しずつ調整する

晩夏から初秋は、日中は暑くても、朝晩の気温が下がる日が増えてきます。

エアコンの設定やパジャマ、掛け物を、その日の気温に合わせて少しずつ調整しましょう。

「まだ夏だから」と同じ格好を続けず、明け方の室温まで考えて寝床を整えることが、小さな秋支度になります。

まとめ:冷えを感じやすい季節の前に、眠りを見直す

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夏の冷えが、身体の中に蓄積して冬の冷えになるわけではありません。

見直したいのは、冷えやすい過ごし方や、季節が変わっても同じままになっている眠りの環境です。

暑さは我慢しない。
けれど、身体は冷やしすぎない。

部屋の温度だけでなく、風の当たり方や湿度、パジャマ、寝具まで含めて、身体のまわりを整える。

夏の眠りを心地よく整えることから、秋、そして冬を迎える支度を始めてみませんか。

よくある質問

Q. 夏に冷えると、冬に冷え症になりますか?

夏の冷えがそのまま身体に蓄積して冬の冷え症を引き起こすという直接的な因果関係は、医学的には明らかになっていません。ただし、冷房による冷えや運動不足、寝苦しさによる睡眠の乱れを見直さないまま秋を迎えると、冷えや眠りにくさが気になることはあります。

Q. 冷房はできるだけ我慢したほうがいいですか?

おすすめできません。高温多湿の環境では汗が蒸発しにくく、深部体温が十分に下がらないため、寝つきが悪くなったり夜間の熱中症につながったりする危険があります。大切なのはエアコンを使わないことではなく、部屋全体は涼しく保ちながら身体を冷やしすぎないことです。

Q. 扇風機やエアコンの風は身体に当てないほうがいいですか?

風そのものが眠りの妨げになるわけではありません。適度な気流はこもった熱を逃がし、寝苦しさをやわらげることもあります。避けたいのは、寒さを感じるほどの冷風が身体の一部に当たり続けることです。風向きを天井や壁に向け、部屋の空気を循環させる使い方がおすすめです。

Q. 夏でも湯船に浸かったほうがいいですか?

就寝の1~2時間前に入浴すると、入浴後の熱放散が促され、深部体温が下がりやすくなります。ただし熱すぎるお湯は身体を興奮させ、かえって眠りを妨げることがあるため、心地よいと感じる温度で無理なく入ることが大切です。

Q. 冷房対策に長袖のパジャマは効果がありますか?

冷房の風で腕や脚が冷える場合、通気性や吸放湿性のある薄手の長袖・長ズボンで肌をゆるく覆う方法があります。目的は身体を厚く包んで温めることではなく、冷風が肌へ直接当たるのを和らげながら、汗や湿気を外へ逃がすことです。

Q. 秋になったら、まず何から見直せばいいですか?

「まだ夏だから」と同じ格好を続けず、エアコンの設定やパジャマ、掛け物をその日の気温に合わせて少しずつ調整することから始めましょう。室温だけでなく、パジャマや寝具によってつくられる「寝床内環境」に熱や湿気がこもっていないか、冷えすぎていないかまで考えることが、秋を心地よく迎える小さな支度になります。

スタッフ:ローホのイラスト
【この記事を書いた人】
スリーププランナー:ローホ
(認定登録番号:653030)

資格を活かして、皆さんと一緒に睡眠環境を整えることを目指すパートナー。

現在、更年期真っ只中。気持ちと身体の揺らぎを日々感じています。
だからこそ、睡眠の大切さや面白さをより深くお伝えしていきたい。
そんな想いで、睡眠を楽しんでもらえる商品をチームで開発し、少しでも皆さんに寄り添っていきたいと考えています。


※本コラムは公的機関の情報および睡眠に関する研究、スリーププランナーの知識に基づいて作成したものであり、医療行為や診断ではありません。気になる症状がある場合は医師にご相談ください。

~日本を睡眠大国へ~

自然を選び、自分をてらす。
睡眠を選び、地球をてらす。

身体も心も軽やかに、一瞬一瞬をキラキラと輝く、明日をもっと楽しもうと思える。
眠ることは、自分らしく生きること。
睡眠が変わると、明日が変わる。

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