睡眠の質を上げるパジャマの選び方|寝心地の良い夜をつくる簡単なコツ
寝心地の良いパジャマで、「よく眠れる」を楽しもう

「ちゃんと寝たはずなのに、朝から体が重い」「横になっている時間は長いのに、休んだ気がしない」。そんな日が続くと、気になってくるのがいわゆる「睡眠の質」です。
とはいえ、「睡眠の質を高める方法」と聞くと、生活習慣を一から見直さなきゃいけないようで、少し身構えてしまう方も多いかもしれません。
でも実は、もっと身近なところ――たとえば寝心地の良いパジャマに変えるという簡単な工夫だけでも、夜の過ごし方が少し変わることがあります。
このコラムでは、
- ・そもそも「睡眠の質を高める」とはどういうことか
- ・寝る時の服装とパジャマが、眠りにどう関わっているのか
- ・睡眠の質を上げるパジャマを選ぶときの具体的なポイント
を中心に、今日から取り入れやすい形でまとめました。
1.「睡眠の質を高める」とはどういうこと?

眠っているあいだ、私たちの脳と体はずっと同じ状態ではなく、深い眠りの「ノンレム睡眠」と、体は休みつつ脳が比較的よく働いている「レム睡眠」を、波のように行ったり来たりしていると考えられています。
とくに、眠り始めてすぐに訪れやすい深いノンレム睡眠の時間帯には、
- ・成長ホルモンの分泌
- ・体の修復や疲労回復
- ・代謝や免疫バランスの調整
といった、体にとって大切なメンテナンスが進みやすいとされています。
「睡眠の質が高い」といえる状態は、ざっくり言えば次のようなイメージです。
- ・布団に入ってから、極端に時間をかけずに眠りにつける
- ・夜中に何度も目が覚めることがあまり多くない
- ・朝起きたとき、「それなりにスッキリしている」と感じられる
逆に、寝つきにくさや中途覚醒が多いと、このリズムが途切れやすくなり、翌日のだるさや集中しづらさにつながりやすいと考えられています。
睡眠の質を高める方法を考えるときは、この「リズムをなるべく乱さない」視点を持っておくと、少しイメージしやすくなります。
2.寝る時の服装とパジャマの役割

寝る時の服装といっても、実際にはいろいろありますよね。
- ・いわゆる「パジャマ」
- ・スウェットなどの部屋着(ルームウェア)
- ・ジャージ・スポーツウェア
- ・下着や、ほぼ裸に近いスタイル
それぞれ、設計の目的が少しずつ違います。
パジャマは「眠るために作られた服」
パジャマは、「眠ること」を目的に設計された服です。
- ・汗や湿気を受け止めやすい、吸湿性・通気性のある素材
- ・肌ざわりのやさしい生地
- ・ゴムや縫い目の当たりが強すぎないデザイン
- ・寝返りを妨げにくい、ゆったりしたシルエット
こうした工夫を通して、寝心地の良い状態を保つことを目指しているのが、パジャマという服の役割だといえます。
部屋着・スポーツウェアは「日中向き」
一方、部屋着やジャージ・スポーツウェアは、
- ・そのまま外へ出られる見た目
- ・運動や家事のしやすさ
といった日中の使い勝手を優先して作られていることが多いです。
スポーツウェアやジャージ、リーズナブルな部屋着にはポリエステルなどの化学繊維がよく使われます。ポリエステルは軽くて丈夫、乾きやすいというメリットがある一方で、
- ・水をほとんど吸わない(吸湿性がとても低い)
- ・条件によっては、生地の内側に湿気をためこみやすい
といった性質も持っています。
寝床の中で一晩中着続けると、人によっては背中や腰まわりが「ムワッ」と蒸れやすく、その不快感が中途覚醒のきっかけになる可能性もあります。最近は吸汗速乾の高機能ウェアも増えており、一概に「ポリエステル=全部ダメ」とまでは言えませんが、少なくとも、“睡眠の質を上げるパジャマ”とは性格が違う、という点は押さえておきたいところです。
「パジャマに着替える」というスイッチ
もうひとつ見逃せないのが、行動としてのパジャマです。
たとえば、
- ・お風呂に入る
- ・歯を磨く
- ・パジャマに着替える
- ・布団に入る
という流れを、毎晩だいたい同じ順番でくり返しているとします。すると脳は、その一連の流れから「そろそろ眠る時間だな」と予測しやすくなります。
部屋着のままなんとなく寝てしまうのと比べると、「パジャマに着替える」というひと手間が、睡眠モードへのスイッチになってくれるイメージです。これは、専門的には「入眠儀式(スリープセレモニー)」と呼ばれることもあり、睡眠の質を高める方法のひとつとして紹介されることがあります。
3.睡眠の質を上げるパジャマの選び方

ここからは、具体的に睡眠の質を上げるパジャマを選ぶときのポイントを整理していきます。キーワードは、次の4つです。
- ・蒸れにくい素材かどうか
- ・季節に合った保温性があるか
- ・ゆったりしたサイズかどうか
- ・寝返りを妨げない生地・つくりかどうか
3-1.蒸れにくい素材を選ぶ
睡眠の質を上げるパジャマを選ぶときには、まず「蒸れにくい素材かどうか」をチェックしてみてください。
睡眠中、私たちはコップ一杯分ほどの汗をかくとも言われています。とくに、肌から水蒸気として出ていく汗を、どれだけ上手に受け止めて外へ逃がせるかが、蒸れやすさの分かれ道です。
その意味で、次のような素材は蒸れにくく、寝心地の良いパジャマを作りやすいと考えられています。
- ・綿(コットン)
- ・麻(リネン・ラミーなど)
- ・シルク
- ・レーヨンなどの再生繊維
これらは一般に、汗や湿気を取り込みやすい吸湿性と、取り込んだ水分を空気中へ戻しやすい放湿性に優れているとされます。そのため、背中のムレやベタつきを感じにくく、中途覚醒のきっかけを減らしやすい素材といえます。
一方、ポリエステルなどの化学繊維は、日中のウェアとしてはとても便利ですが、寝床の中で長時間着ると、条件によっては汗や湿気がこもりやすい側に寄りやすい点には注意が必要です。
3-2.季節に合った「あたたかさ」と「涼しさ」
次に大事なのが、季節と保温性のバランスです。冷えすぎると目が覚めやすくなり、暑すぎると蒸れで起きやすくなるという、両方のリスクがあります。
夏:綿・麻・ガーゼ・綿麻交織で、さらっと涼しく
夏に寝心地の良いパジャマを選びたいなら、綿や麻、綿麻交織、ガーゼなどの通気性の高い素材がおすすめです。
- ・綿(コットン)
- ・麻(リネン・ラミー)
- ・ガーゼ(シングル/ダブルなど)
- ・綿と麻を組み合わせた綿麻交織(綿麻の交織布)
綿麻交織は、綿のやわらかさと吸湿性、麻のシャリっとした清涼感と通気性を合わせ持つ生地です。汗をかいても肌にまとわりつきにくく、布団の中に熱や湿気をためこみにくいので、夏に睡眠の質を上げるパジャマとしても理にかなった選択肢と言えそうです。
夏の冷え対策には「7分袖・7分丈」という選択肢も
日本の夏は、「冷房なしでは寝つけないけれど、つけっぱなしにすると体が冷える」という、少し悩ましい季節でもあります。体が冷えすぎると血のめぐりが悪くなり、手足など末端から冷えを感じやすくなるといわれています。血行が落ちると、老廃物が体のすみにとどまりやすくなる可能性がある、という指摘もあります。
そこに、冷たい飲み物やアイス、冷やした麺類などが重なると、内臓の温度もじわじわ下がっていきます。一度冷えた内臓を元の温かさに戻すには、それなりのエネルギーと時間が必要だと考えられています。とくに年齢とともに筋肉量が少しずつ減ってくると、体の中で熱をつくる力も弱まりやすく、「いったん冷えるとなかなか温まらない」と感じる方が増えてくるのも不思議ではありません。
そんなときに頼りになるのが、肘や膝を冷やしにくい7分袖・7分丈のパジャマです。長袖だと暑く感じる夜でも、七分丈なら家事やストレッチの動きをさまたげにくく、洗顔や水仕事のときも袖口を気にせず動けます。冷房の風でじわじわ冷えやすい関節まわりをやさしく覆いながら、肩こりや関節の違和感、むくみなど「冷えからくるかもしれない不調」へのささやかな対策として、比較的長い季節で活躍してくれる一枚になりそうです。
冬:三重ガーゼで「あたたかいのに蒸れにくい」
冬は冷え対策が欠かせませんが、厚手のフリースやモコモコの部屋着だけに頼ると、
- ・暑くなりすぎて布団をはいでしまう
- ・汗をかいて、そのあと冷えて目が覚めてしまう
といった別の問題を招くこともあります。
そこで頼りになるのが、三重ガーゼのパジャマです。
三重ガーゼは、目の粗いガーゼ生地を3枚重ねた構造になっており、
- ・3枚のあいだに空気の層が生まれる
- ・その空気が「軽い断熱材」のように働き、ふんわりあたたかい
- ・綿ガーゼならではの通気性・吸水性・吸湿性もしっかり残る
といった特徴があります。
「フリースだと暑くなりすぎる」「でも冷えるのもつらい」という方には、あたたかいのに蒸れにくい冬用のパジャマとして、一度試してみる価値がありそうです。
なお、どんな素材でも、布団が極端に厚すぎたり、室温や湿度が適切でないと、寝床内気候(寝具とパジャマと体のあいだの温度・湿度)が乱れやすい点には注意が必要です。パジャマはあくまで「調整役」と考えておくとよさそうです。
3-3.ゆったりしたサイズ感かどうか
サイズ感も、睡眠の質をじわじわ左右するポイントです。
ジャストサイズの服は見た目にはすっきりしますが、
- ・ゴムや縫い目の締め付けで血行を妨げやすい
- ・一晩に何度も打つ寝返りのたびに、生地がつっぱって動きにくい
といったストレスにつながる可能性があります。
睡眠の質を上げるパジャマとしては、
- ・普段の洋服よりもゆったりめ
- ・バストやウエストのゆとり感
とくに、ガーゼやサテンのような伸びにくい織物のパジャマは、ジャストサイズぴったりではなく、少しゆとりを持たせて選ぶと安心です。目安としては、バストやウエストのヌード寸法に対して、仕上がり寸法がプラス20cm前後あると、締めつけ感が少なく過ごしやすいと言われています。
生地やゴムの圧迫で血の巡りが悪くなると、からだがリラックスしづらくなり、副交感神経も優位になりにくいと考えられています。睡眠中にどこかへ圧力を強く感じると、無意識のうちに姿勢を変えようとして寝返りが増え、一晩で20回前後になることもあるそうです。その結果、中途覚醒のきっかけになってしまう可能性もあります。
ニットなど伸びる素材のパジャマでも、同じように「締めつけすぎない」ことを意識しておくと、からだがふっとゆるみやすくなり、眠りの質をそっと支えてくれそうです。
くらいを目安に選んでみると、寝返りもしやすく、体も楽に感じやすいはずです。
3-4.寝返りを妨げないつくりかどうか
よく動く方や寝返りが多いと感じる方は、
- ・伸縮性のある生地のパジャマを選ぶ
- ・肩まわり・脇まわり・ヒップまわりなどのサイズにしっかりゆとりがあるパジャマを選ぶ
といった工夫で、寝返りのしやすさを補うイメージです。
4.まとめ

最後に、ゆるっとご提案です。
- ・ポリエステルが多い場合、次に買う1着は綿・麻・シルク・レーヨンなど天然繊維を中心に選んでみる
- ・夏用には、綿・麻・ガーゼ・綿麻交織など、さらっとした素材を候補にする
- ・冬用には、ネルや起毛素材、三重ガーゼなど、「あたたかいのに蒸れにくい」素材を候補にする
- ・パジャマのサイズは、「いつもの洋服と同じ」ではなく、少しゆったりめを選んでみる
- ・ニット生地、もしくはゆったりしたガーゼなど、寝返りを妨げない生地を意識して選ぶ
- ・部屋着とは別に、「寝る前に必ず着替えるパジャマ」を1セット用意してみる
寝心地の良いパジャマに変えるという簡単な工夫を積み重ねていくことで、少しずつ睡眠の質を高める方法として心地よい変化が期待できるかもしれません。
「そういえば、背中のムレが前より気にならなくなったかも」
「夜中に起きる回数が、少し減ったような気がする」
そんな感覚が、ある日ふっとついてくるかもしれません。
睡眠の質を上げるパジャマを選ぶことは、たくさんある睡眠ケアの中でも、はじめの一歩として取りかかりやすいテーマと言えそうです。
~日本を睡眠大国へ~
自然を選び、自分をてらす。
睡眠を選び、地球をてらす。
身体も心も軽やかに、一瞬一瞬をキラキラと輝く、明日をもっと楽しもうと思える。
眠ることは、自分らしく生きること。
睡眠が変わると、明日が変わる。
明日をてらす 睡眠てらす





