更年期の不眠は、自律神経の乱れが主な原因で、特に女性ホルモン(エストロゲン)の減少が大きく関係しています。
エストロゲンは自律神経の調整に重要な役割を果たしますが、閉経を迎えると分泌が減少し、体が緊張や興奮状態になりやすく、睡眠の質が低下します。
また、加齢によって自律神経そのものの機能も衰えるため、さらに不眠が悪化しやすくなります。
更年期の不眠に対する対策として、以下の方法が効果的です:
1.朝の日光を浴びる
太陽光を浴びることで、脳の視交叉上核が「朝だ」と認識し、体内の生体リズムをリセットします。日光を浴びてから約13~15時間後に、睡眠ホルモンであるメラトニンが分泌され、夜には自然な眠気が訪れるようになります。毎朝、起床後すぐに日光を浴びる習慣をつけることで、体内時計を整え、不眠の改善に繋がります。
2.軽い運動を日中に取り入れる
軽いウォーキングやヨガなどの適度な運動は、体の深部体温を上げ、夜には体温が下がることで自然な眠気を促します。最大心拍数の70%前後の強度で、20~60分程度の運動が推奨されます。運動は、身体に心地よい疲労をもたらすだけでなく、抗不安・抗うつ効果もあり、メンタル面でもリラックスを促し、睡眠の質を高めます。薬に頼らずに自然な方法で不眠を改善したい方には特におすすめです。
3.食事の見直し
栄養バランスの取れた食事も、睡眠改善に重要です。特に、セロトニンやトリプトファンが含まれる食品は、メラトニンの生成をサポートします。トリプトファンやセロトニンが豊富な食品には、豆類、魚介類、鶏肉、バナナ、ホウレンソウ、海老、大豆製品などがあります。また、野菜や食物繊維、不飽和脂肪酸を多く含む食品も、全体的な健康を維持します。
4.就寝前のリラクゼーション
夜は、心と体をリラックスさせる時間を持つことが大切です。例えば、自然音やリラックス効果のある音楽を聴いたり、就寝前に38~40℃の温かいお風呂に15分程度入浴することで、深部体温を一時的に上げ、入眠時には体温が下がりやすくなるため、寝付きが良くなります。また、就寝前に5~10分間の瞑想や呼吸法を行うことで、心を静め、入眠しやすい状態に整えることも効果的です。
これらの対策を生活習慣に取り入れることで、更年期の不眠を軽減し、良質な睡眠を促進することが期待できます。
今回ご紹介した対策で、あなたの睡眠が少しでもよくなりますように。
身体も心も軽やかに、一瞬一瞬をキラキラと輝く、明日をもっと楽しもうと思える。
眠ることは、自分らしく生きること。
睡眠が変わると、明日が変わる。
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